目次
潰瘍性大腸炎にビタミンD効果があるという情報にふれることが多いので、ビタミンDについて調査。 効果とともに、過剰摂取による健康への影響について調べ、納得した上で使用を検討する。
=2020/05/23追記= 日本人の食事摂取基準2020を確認し、調査を更新。 また、活動期に摂取し続けた結果をまとめた。
調査
効果・役割
- カルシウム吸収を促す。
- 細胞成長 、神経筋機能および 免疫機能 の調節、 炎症縮小 の役割。
- リーキーガット症候群の改善(緩んだ腸粘膜の結合状態を改善)
推奨摂取量と上限
(一度、日本人の食事摂取基準2020を確認ください。詳しく書かれています。)
推奨摂取量
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- 目安量 8.5μg/日
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骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版 - 日本骨粗鬆症学会
- 推奨摂取量 10µg/日~20µg/日
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アメリカ・カナダの食事摂取基準(2011)
- 70歳以下に対して 15µg/日、71歳以上に対して 20µg/日
病気予防の意味での必要量と、実現可能性を考慮した目安量で、発表している団体ごとに基準値に差がある。
上限・毒性閾値
毒性閾値が250μg/日、安全率2.5をとって上限は100μg/日と定められている。
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症状
- 血中カルシウム濃度上昇→カルシウム沈着による腎機能障害
- 食欲不振や体重減退、頻尿、嘔吐、イライラなど。
- 過剰に日光を浴びても体が作成するビタミンDの量を制限するので、日光はビタミンD中毒の原因にはならない。
メモ 食事摂取基準2020について
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食事摂取基準2020の目安量決定の経緯を簡単に示すと、
- アメリカの15µg/日から、日照による5µg/日を引く。⇨必要量10µg/日。
- 実現可能性を考慮し、8.5µg/日。
- 日本内分泌学会・日本骨代謝学会は、血清 25─ ヒドロキシビタミン D 濃度が30 ng/mLでビタミンD充足としているのに対し、食事摂取基準2020では以下の理由から、20 ng/mLにしている。
しかしこの参照値を採用した場合、最近の疫学調査結果によると、欠乏/不足者の割合は、男性:72.5%、女性:88.0% にも達することから、食事摂取基準の参照値として 30 ng/mL を採用するのには、慎重になるべきであり、上に述べた最近の疫学データから考えて、20 ng/mL を参照値とすることには、一定の妥当性があるものと考え、20 ng/mL を参照値とした。 出典:日本人の食事摂取基準(2020)
摂取基準まとめ
基準は8.5μg/日~20μg/日程度。 上限は100μg/日。実際に毒性が出るのは250μg/日以上。
摂取方法
日光浴か、食事から得ることができる。
日光浴での生成
- 紫外線が皮膚に直接当たると生成される。ガラスを通過した日光ではだめ。日焼け止めも紫外線をブロック。
- 5.5μgの生成に必要な時間(顔と手のひらの場合)
出典:日本人の食事摂取基準 2020
- 30μg程度が生成される量を浴びると、皮膚に有害になる。
食事からの吸収について
- クローン病など脂質処理機能に障害がある人は不足しやすい。ビタミンDの吸収には脂肪が必要。(脂溶性ビタミンのため)
- 野菜からはほとんど摂れない。
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しらす、脂肪性の魚(サケ、マグロ、サバなど)、きのこ類、さつま揚げ、卵黄などに含まれる。
- しらす大さじ2 6.1μg
- 卵1つ 1.8μg
メモ 感じたこと
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IBDに必要な栄養だと感じる。活動期には食べられるものが限られるから、ビタミンD不足は起こり得ると思う。
- サプリで潰瘍性大腸炎の悪化がなければ、サプリを摂りたい。
- サプリがだめな場合でも、活動期は特にたくさん日光を浴びたい。
- 副作用に下痢はなかった。便秘と書いてあるサイトはあった。便が緩くなることはなさそう。
- カルシウムのサプリと一緒に飲むのはちょっと怖いかな。(飲んでた)
IBD関連の研究
IBD患者のビタミンD不足はよくないらしい。
- ビタミンDが足りていないと医療利用の可能性が高くなる
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0617503780/
- ビタミンD欠乏症のUC患者には、一日2000 IUのビタミンDが生活の質を高めて病気の活動性を低下させる
https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/30871542
メモ
引き続き調べたい。アブストラクトしか確認していないので、詳しくはリンク先参照。
わたしの方針
試した時期
- 2020年5月
- 再燃初期段階。赤い粘液が少量見える程度。
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サプリで一日50μg(2,000IU)を試してみる。 (しらす約80g分のビタミンD、上限の半分)
- 2020/05/06から開始。
- 脂肪と一緒がいいらしいので、クルミ一個(1gくらい)と一緒に摂る。
- ⇨ 2020/05/06 出血が本格化したので、クルミは控えることに。血が止まったらクルミと一緒に摂る。
- 食事は変えずに一週間程度試して、症状が悪化するなら一旦中止。
- ⇨ 2020/05/06の午後、ビタミンD関係なく症状悪化。食事をお粥レベルに落として、ビタミンDは継続。
始めるときに考えたこと
- 量を守れば、ビタミンD過剰にはならないはず。
- (IBDの人は腸管からの脂肪吸収が弱いなら、サプリを使用してもビタミンD過剰になることは難しいのでは。)
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4月中旬に、Dear-Naturaのカルシウム・マグネシウム・亜鉛・ビタミンDを2週間程度試したので、悪化するとしても程度が知れているはず。
- このときは便が緩くなった。(マグネシウムの副作用が下痢)
経過報告
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症状が悪化しているときに開始
- 2020/05/06 クルミと一緒に摂取。この日のうちに症状悪化(排便5回、下痢、血が垂れる、発熱)。ビタミンDのせいではなく、前日までの食事のせいだと思われる。
- 2020/05/07 朝食後にビタミンDだけで摂取。クルミは血が落ち着くまで中止。昨日と同じで下痢と血が垂れたが、排便回数が少なくなった。悪化はしていない。
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少し落ち着く
- 2020/05/08 朝食後に摂取。便1回。昼に健康便。消化よし・低食物繊維・高タンパク・低脂質の食事が効いて改善し始めている。ビタミンDによる、活動期への悪影響はなさそう。
- 2020/05/09 便2回。健康便ののち軟便。前日の卵の影響?
- 2020/05/10 便2回。目立った出血はなし。まだ卵を食べると緩くなるみたい。
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出血が終わる
- 2020/05/11 最後の出血。
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回復傾向
- 2020/05/16~ 便が1回/日に安定。
結果
炎症がひどくなって、血が垂れるようになった頃からビタミンDスタート。 (悪化した場合、わかりやすいと思ったため。) 結果、それ以上は悪くならず、徐々に回復していった。
私の場合、活動期であってもビタミンDによる悪影響はなさそう。
まとめ
前回より回復は早かったが、劇的な効果は感じていない。 ビタミンDが症状の回復に役立ったかは不明。 ビタミンDを摂り続けたことによる悪化は感じなかった。
今摂っている量は上限の半分の量なので、健康被害は考えにくい。
以上より、私にとってのまとめ。
- 摂るデメリットはない。
- 少なくとも活動期は摂るようにする。
- 血清 25- ヒドロキシビタミン D 濃度を毎回測れないか、主治医に相談。
購入したサプリ
iherbで購入。ナウフーズのサプリ、一粒2000IU。同じものをAmazonで買うよりも安い。(「ビタミンD 2000IU」で検索すれば一番に出てくると思います。)
- 1000IU ⇨ 25μg(しらす40gくらい)
- 2000IU ⇨ 50μg(上限の半分)
- 4000IU ⇨ 100μg(上限)
吸収が一般的な人より悪い可能性と上限を考え、2000IUを選択。
購入を検討される方へ
1000円程度で半年分くらい買えるはずです。 気になる方、今わたしが試しているところなので、あと1,2週間お待ちいただければなにかしらご報告できると思います。(2020/05/06現在)
=2020/05/23追記= 私の活動期に感じたことを、上のまとめに書きました。今のところ継続しています。 主治医に相談し、血清 25- ヒドロキシビタミン D 濃度を測定してもらってから試したほうがいいと思います。食事と日照から十分にビタミンDをとれていれば、サプリのメリットはないと思います。 (私は活動期にすぐ試したかったので、自分なりに調べた上で、主治医に相談することもなく始めました。)
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参考サイト
- 日本人の食事摂取基準 2020
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
- 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版 - 日本骨粗鬆症学会
http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf
- 日本内分泌学会雑誌
http://jsbmr.umin.jp/guide/pdf/vitaminDmanual2017.pdf
- 病院の先生による論文まとめページ。情報量多い。
http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/sinryo/40_02w7.html
- 栄養大百科
http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/200810/eiyo.htm
- 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』その1
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html
- 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』その2
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/17.html
- IBD向けのページ
https://www.takano-hospital.jp/support/disease/disease03/disease0312
- Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3D